ソーシャルネットワークの法則

20140412131045進化生物学者のロビン・ダンバーは、ことばの起源がサルの毛づくろいにあると主張する。

通常チンパンジーは50匹程度の群れで行動するが、50匹という数は毛づくろいでコミュニケーションがとれる上限数と一致する。チンパンジーは比較的安全なジャングルで暮らしていたが、人類の祖先は危険なサバンナに出ていったため群れの数を増やす必要があった。群れの数を増やすと毛づくろいによる肉体的な接触が困難になる。そこで必然的に言葉によるコミュニケーションが生まれた。

ダンバーは群れの数と大脳皮質の大きさに相関関係があることを突き止めた。脳における新皮質の割合から、安定した関係を維持できる個体数の上限を算出すると、チンパンジーが50匹、人間が150人になった。150という数字は平均であり、実際には100〜230の幅があるが、これが軍隊や企業で統率が取れる上限数と一致していたため、大きな反響を呼んだ。

私は4年前にTwitterの本質と可能性 - Tweepsという記事を書いた。

Tweepsは自分と相手の間に共通の友人が何人いるか分かるアプリだが、当時私は奇妙な事実に気づいた。フォローしている人数が300人でも1000人でも5000人でも、共通の友人はだいたい100人で一致したのだ。その時はなぜ100人になるのか分からなかったが今なら説明できる。ダンバー数だ。

現在TweepsはApp Storeにないが、代わりにinCommonという無料アプリがあるので、共通の友人数を確認してみて欲しい。フォローしている人数に関わらず、何らかの趣味で繋がったコミュニティなら、共通の友人は100〜230人になっているはずだ。

おそらくFacebookなどの他のソーシャルネットワークでも、言葉を使っている限り同じ数字になる。人間は実世界だけでなく、ネットの世界でも150人程度のグループに収まる法則があるようだ。脳がこのまま進化しなければの話だが。

ことばの起源(Amazon)/ inCommon(App Store)


関連記事