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宇宙船地球号

Essay

20140817214515

人が宇宙を思い浮かべる時、その隅には地球の姿がある。宇宙のスケールでは、地球はとてもゆっくり動いているように感じる。ゴゴゴゴゴゴゴゴ。巨大な物体の重低音が聞こえてくるようだ。

先日、仕事を終えて帰宅する途中、地球がどれぐらいの速度で自転しているのか気になったので計算した。

地球の赤道の外周は約40,000km。地球は24時間で一周するので、時速にすると40,000km ÷ 24hで、約1,600km/hになる。

自分が立っている地面が、マッハの速度で動いているとは思わなかった。空気抵抗を生身で受けたら、口がビロビロに広がって深海魚のような顔になるだろう。

だが、実際はみな平気な顔をして暮らしている。ニュートンの力学に従って移動しているからだ。大気圏の中では空気や地面も同じ速度で動いているため、自分も止まっている。

さらに考える。

慣性の法則があるとはいえ、地球が時速1,600kmで回転していることに変わりはない。ただし、それは赤道の話で、北極点と南極点に近づくにつれ距離は短くなり速度も遅くなる。

住む場所の緯度が違うと、生理的にも心理的にも違いが生まれるかもしれない。時速1,600kmの乗り物で生きる人と、時速10kmで生きる人では、何かが違うのではないかと思うのだ。

人間は生まれた時から高速な宇宙船に乗っている。地球の公転速度は10万km/hにもなる。高速で移動しながら大人になり、仕事をして恋をして子供を産む。

宇宙船地球号。考えれば考えるほど不思議な乗り物だ。


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