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時間の密度『ゾウの時間 ネズミの時間 ー サイズの生物学』

Book

20141002211018書店の新書コーナーに陳列されていた『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 』が気になったので読んだ。本書は、人間や動物をサイズの観点で比較し、生物に隠されているパターンを解き明かそうとする。

こちらは発見されたパターンの一部。

  1. 動物の時間は体重の1/4乗に比例する。走るスピード、息継ぎの時間、心臓の鼓動間隔、寿命など、動物は大きくなるほど時間が長くなり、小さくなるほど短くなる。
  2. 息を吸って吐く間に、心臓は4回鼓動する。動物の心臓が鼓動する回数は、一生で20億回程度。
  3. 島の法則。島の動物は捕食者が少ないため、大きいものは小さくなり、小さいものは大きくなる。
  4. エネルギーの消費量と食べる量は、体重の3/4乗に比例する。体重が2倍になっても、エネルギーの消費量は1.68倍にしかならない。
  5. 大きさが違っても細胞のサイズは同じ。動物の細胞は10ミクロンで、植物は50ミクロン。

これ以外にも、植物が切断されても再生する理由や、動物の遺伝子が身体の隅々まで存在する理由など、興味深い話題が盛り沢山。その中でも特に、時間の話が面白かった。

動物の時間は体重の1/4乗に比例する。例えば、体重が16倍になると時間は2倍になり、寿命も2倍になる。ゾウとネズミを想像すると、重さと寿命の関係が何となく理解できるはずだ。

ゾウの寿命は約70年だが、ネズミは約3年。ネズミのほうが儚く感じるが、どちらも心臓の鼓動は20億回で止まる。ネズミの一生は相対的に見れば短いが、成長速度や呼吸間隔など全ての時間が速いため、それなりに充実していると著者は推測する。

人間はどうだろう。生物学的には同じ時間の法則に従っているが、人間は脳が発達したおかげで、時間を縦だけでなく横にも広げることができるようになった。工夫次第で時間の密度を濃くすることができる。これは言葉を扱う人間の特権だ。

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