疑問を持つことの大切さ『知ろうとすること。』

20150110221538私がいつも部下に教えているのは、自分で考えることの大切さだ。目の前で起きた問題に対して表面的な事象にとらわれず、深く追求して真実を解き明かす。物事に対して常に疑問を持つ。そんな想いが伝わった人はいい仕事をしてくれるし、伝わらない人はロボットのような仕事しかしない。

糸井さんと早野教授の対談本『知ろうとすること。』も、同じテーマで書かれていた。

4年前に発生した東日本大震災福島第一原子力発電所の事故。早野教授の専門は原発ではなかったが、公表された放射線の量に疑問を持ち、自分で調査した事実をツイートし続けた。被ばく量の測定器を流通させるべく国を動かし、公表された数値で混乱しないよう国民を鎮めた。

早野教授は語る。

原発の事故は、起きてしまったことです。しかし、そこに生じた問題について科学的に考え、アプローチする態度が身についたら、将来大きな力になる。そういう道を示してあげたいなと思っています。

ヒステリックに騒がず、冷静に真実を見つめて欲しい。そんな願いが込められたこの本は、心に深くしみ込んでくる。だが、素晴らしい本だからといって鵜呑みにしてはいけない。感情に流されず、疑問を持って問いかける。それが大切だ。

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