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数学は発見か発明か『神は数学者か?』

Book

20150510133934ルネサンスの彫刻家ミケランジェロは、自分の彫刻は大理石のなかに初めからあって、それを掘り出しているだけだと考えていた。電気と磁気の統一理論を編み出したマクスウェルも、方程式を発見したのは自分の中の何かであって、自分ではないと告白している。

ニュートンの逆二乗法則やアインシュタインの一般相対性理論など、自然の中には数学で説明できる事象が数多くある。これらの方程式は人間の脳が生み出したものなのだろうか。もしくは最初から存在していて人間は発見しただけなのだろうか。

マリオ・リヴィオは『神は数学者か?』で、そんな疑問を掘り下げる。

第1章 謎
第2章 神秘主義者たち — ピタゴラスとプラトン
第3章 魔術師たち ー アルキメデスとガリレオ
第4章 魔術師たち — デカルトとニュートン
第5章 統計学者と確率学者 ー 不確実性の科学
第6章 幾何学者たち — 未来の衝撃
第7章 論理学者たち — 論理を論理する
第8章 不条理な有効性?
第9章 人間の精神、数学、宇宙について

ヒントは「客観的な真理」にある。数学にはリーマン予想やホッジ予想など、懸賞金がかけられた未解決問題が幾つかあるが、これらの命題は証明された時点で真理になるのだろうか。もしくは最初に思いついた時点で真理なのだろうか。はたまた人間が考え始める前から真理なのだろうか。

結論は本書に委ねるとして、この問いは哲学的で面白い。宇宙を想像してみて欲しい。直径が100億光年以上ある宇宙空間に、銀河が1000億個以上ある。その中のひとつに太陽系があり、地球があり人間がいる。広大な宇宙の仕組みを人間の小さな脳が解明する。その解明は発見か発明か。

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