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笑う動物

Essay

数ヶ月前から犬を飼い始めた。今年の初めに生まれたトイプードルで、そろそろパピーの時期も終わる頃なのに、人の手はガブガブと噛むし、トイレもなかなか覚えてくれず粗相ばかりしている。それでも可愛いくてしかたがないのだが、最近犬と遊んでいて気づいたことがある。それは、犬は決して笑わないということだ。

ベロを出して嬉しそうにしたり、キバを見せて怒ることはあるが、笑った顔は絶対に見せない。何を今さらと思われるかもしれないが、考えてみると笑う動物は人間だけなのだ。犬も猫も魚も鳥も笑わない。チンパンジーは笑うこともあるようだが、日常的に笑うのは人間しかいない。

人間が笑うようになったのは、おそらくコミュニケーションのためだ。

今から500万年前、好奇心に駆られたヒトの祖先は安全な森から危険なサバンナに出た。体が小さかった類人猿は、敵から身を守るために集団で行動した。集団で行動するためには仲間に意志を伝える必要がある。最初は単純な鳴き声から始まり、次第に種類が増えて言葉が生まれ、表情によるコミュニケーションが発達した。

人間の赤ちゃんは隔離されると成長ホルモンが分泌されず、成人になる前に死んでしまうそうだ。病院の新生児治療室でも以前は未熟児を隔離するのが当たり前だったが、最近は母親と接する時間を増やし、赤ちゃんが持っている本来の力を引き出そうとする病院が増えている。

親は子供に対して神経質になる。言うことを聞かないと腹を立て、こちらの都合を押し付ける。時には手を出すこともあり、エスカレートして虐待する。そうなったら少し力を抜いて、自分の楽しみを一番に考えるといい。笑顔が増えると子供は安心する。人間は笑うだけで子育てができる動物なのだ。


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