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Essay

昨日の夕方、東京で虹が出た。こんなとき遠距離恋愛はつらい。いつもなら二人で夜空を見上げて、同じ星を見て喜びを感じることができるが、虹は一緒に見ることができない。Twitterにアップされる写真を見ていたら、救いようのない寂しさを感じて涙があふれてきた。

というのは冗談だが、虹の原理は面白い。

虹は雨上がりなど、空気中に水滴が残っている状態で太陽の光が差すと現れる。太陽の光は通常は白いが、雨粒の中で屈折すると波長に応じて七色に分光する。色は赤・橙・黄・緑・水・青・紫で、球体の場合、反射する角度が40〜42度と決まっている。だから虹は朝か夕方に現れる。日中は光が上に反射するため、地上からは見えない。

昨日の虹は二重に見えたそうだが、これは副虹と呼ばれている現象だ。雨粒の中で屈折する際、51〜53度で反射するパターンもあるため、主虹の上にもう一つアーチがかかることがある。

反射の角度は虹の形にも関係している。太陽の光は複数の雨粒に対して平行に入射するが、反射した光を見る人間の位置は一点にあるため、外側に離れるにつれて低く見える。そのため虹は半円に見える。

虹の仕組みを解明したのはニュートンだ。ニュートンはプリズムを使って、白い光が七色に分光することを突き止めた。これに対して詩人のキーツは反発した。虹を物理学的に解体したせいで、詩的な側面が壊されたと批判したのだ。

私は物事の本質を知った上でロマンを語りたい。綺麗!凄い!という感想もいいが、その先にある原理を知りたい。知らないほうがストレートに感動できるかもしれないが、原理を知っていれば応用が効く。

たとえば、久しぶりに彼女と会って高原に遊びに行く。少し歩くと水飲み場がある。蛇口を上に向け、太陽を背にして水を撒く。芝生の上に虹ができる。素敵♡となるはずなのだ。たぶん。


参考書籍

虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか

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ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論

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心は孤独な数学者 (新潮文庫)

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