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カメラのキタムラ

Camera Essay

カメラのキタムラ


最近足繁く通っている場所がある。名古屋の栄にあるカメラのキタムラだ。

カメラのキタムラは全国の店舗にある中古レンズをネットで予約すると、最寄りの店舗に取り寄せてくれる。狙っているレンズが入荷したら連絡してくれるし、店に行けば自分のカメラで試すこともできる。買ったレンズが自宅に配送されると困る人にはもってこいのサービスだ。詳しい事情はこちらを。

私が通っている店は名古屋中古買取センター。最寄り駅は地下鉄名城線の矢場町駅。地上に出て久屋大通りを北に少し歩くと、松坂屋とパルコの間に細長いビルがある。見上げると最上階にカメラのキタムラの大きな看板がある。

一見するとビル全体がカメラのキタムラのように見えるが、店は9階のワンフロアだけ。1階のドアを開けてエントランスに入ると、左の壁にテナントの郵便受けがある。いかにも雑居ビルという雰囲気だ。

狭いエレベーターに乗り込み、9階のボタンを押す。到着して扉が開くとそこはもうカメラのキタムラ。通路やエントランスはない。

奥のカウンターでマスターがレンズを磨いている。

「いらっしゃいませ」

「また来てしまいました」

マスターは軽く笑みを浮かべる。

「今日は何になさいますか」

「20mmと24mmを」

マスターは棚から2つの単焦点レンズを出し、カウンターに並べた。

ひとしきり動作を確認して決めた。

「20mmにします」

「かしこまりました」

マスターはレンズを丁寧に包み、手提げに入れる。

「いつもありがとうございます」

「こちらこそ」

店内から直接エレベーターのボタンを押して乗り込む。ビルには美容院やエステが入っているため、エレベーターの中は石鹸の匂いがする。なにやらいけないことをしている気がして癖になるのだ。

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