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絞り羽根と虹彩

Photo Lens

air cafe


人の眼とカメラのレンズは良く似ている。なかでも虹彩と絞り羽根の構造は瓜ふたつだ。

人の眼は瞳孔で光の量を調節する。暗いところでは光を多く入れるために拡大し、明るいところでは縮小する。実際は瞳孔の大きさが変化しているわけではなく、虹彩と呼ばれる周囲の薄い膜が調整している。欧米人の瞳の青い部分、あれが虹彩だ。

カメラのレンズは5〜10枚の羽根がガラスの周囲を覆い、羽根を閉じたり広げたりすることで入光量を調整する。キヤノンのEOSなら、ダイヤルを左に回すと羽根が開いてF値が小さくなり、右に回すと羽根が閉じてF値が大きくなる。

人の眼は水晶体の形を変えてピントを合わせるが、カメラのレンズは形を変えられないので、複数のガラスを組み合わせて調節する。羽根を開くとピントの合う面が小さくなり、絞ると景色全体にピントが合う。

例えば冒頭の写真。

場所は名古屋栄のair cafe。

陽も暮れて辺りは薄暗い。光を取り込むために羽根を開きたいが、最初は全体を見渡したいのでF値は5.6ぐらいに。

次に、門のライトが目に入る。眩しさを抑えるために羽根を閉じたいが、門を観察したいのでF値は4に。

続けて門の下の小さい看板に視線を移す。フォーカスを当てるのは看板だけだが、門の光があるので羽根は最大まで開く必要はない。F値は2.8。

そしてクライマックス。看板の矢印の方向を見ると二人の客が目に入る。カフェの中は暗いため、羽根を目いっぱい広げて二人にフォーカス。F値は最大の1.4。

カメラって楽しい。

SIGMA 50mm F1.4 / Canon EOS 6D