Book-サイエンス
スマートフォンなどのGPSは、時計を利用して位置を特定する。地球の上空には原子時計を載せたGPS衛星が24基あり、GPS受信機はそのうち4基と通信する。その際の送信時間と受信時間の差をナノ単位で計測して、現在位置を割り出す。3000年に1秒しかずれない原子…
2000年5月、アメリカのクレイ数学研究所は、数学における7つの未解決問題に100万ドルの懸賞金をかけた。7つの問題とは「ヤン=ミルズ方程式と質量ギャップ問題、リーマン予想、P≠NP予想、ナビエ=ストークス方程式の解の存在と滑らかさ、ホッジ予想、ポアンカ…
リチャード・ドーキンスの言葉は刺さる。専門の進化生物学だけでなく、物理学、数学、医学、統計学、心理学、芸術など、数多の知識をまとって振り下ろす言葉は、まるで刀のように鋭い。詩人のキーツはニュートンを批判した。ニュートンが虹を物理的に解体し…
世界を記述する言語は数学である。これはガリレオの名言だが、確かに私たちの身の周りは方程式で満ちあふれている。先日も街を歩いている時、ふと、影の長さが気になった。太陽の位置が移動すると影の長さも変わるが、この長さは三角法で特定できるのだろう…
2013年6月、安部総理は経済政策の一環として、義務教育の段階からプログラミング教育を推進すると発表した。既に2012年から中学校の科目の一部にプログラミングが取り入れられているが、義務教育への本格導入に向けて、2016年までに教育者のスキルを標準化す…
Photo Link ハンスたちはまず、成長のある段階で尾の先端を切り取り、それをタングステンの細いワイヤーでもっと先の段階の尾につなぎ留め、尾の成長の初期に作用する成長因子が、ステージ29で出される終止シグナルを無視できるかどうかを確かめた... 〜 ジ…
数と数の関係性を明らかにして、数の意味を理解したり別の数を計算する。それが方程式の役割で、鍵となるのは = で表す等号だ。数学は記号を使った言語であり、すべて言葉に翻訳できる。方程式であれば「〜と〜は」という主語で始まり、「等しい」という述語…
photo credit: c@rljones via photopin cc 2565年、彼は愛する彼女を失った。彼女はまだ若かったが、病いによる死の運命には逆らえなかった。カプセルの中で眠る彼女は透けるような白い肌をしていて、安らな笑みを浮かべていた。彼は宇宙に放たれるカプセル…
Voyager Golden Record 紙にインクで記された八分音符や四分音符が音楽なのではない。音楽とは空気中に響く圧力波の連続でもない。レコード盤に刻まれた溝でも、CDに焼き付けられたくぼみでもない。聴き手の脳内に引き起こされるニューロンの交響でもない。…
photo credit: GATAG 1982年といえば、メキシコの大噴火で地球の平均気温が0.3度低下し、フォークランドでアルゼンチンとイギリスの紛争が勃発し、ソニーが世界で初めてCDプレーヤーを発売した年だが、スペースシャトルが初めて人を乗せて宇宙空間に到達した…
photo credit: SalFalko via photopin cc そうした彼の考え方を子どもの頃の私は尊敬していたが、その一方で「全力」と「最善」は異なるのではないかということも考え始めていた。たとえば、睡眠時間を削って目の前のことをこなし続けること、これは全力であ…
情報を握っているものは世界を制することができる。相手がその情報を取られていることすら知らない場合は、いっそうその効果が大きい。スパイ衛星は、まさにそれを可能にする手段である。 - 江畑謙介 世界で初めて人工衛星を打ち上げたのはソ連だった。名前…
自然という偉大な本を読むには、その本が書かれている言語を知らなければならない。そしてその言語は、数学なのだ。ー ガリレオ・ガリレイ 紀元前3300年〜2000年頃。シュメール人は自分の財産を管理するために、金属やパンなどの所有物を、小さな粘土細工に…
1909年、米国の古生物学者ウォルコットはカナダのロッキー山脈で未知の化石群を発見した。地層を調査した結果、5億500万年前のカンブリア紀の頁岩と判明し、複数の生物が見つかったことからバージェス動物群と名付けられた。偉大な発見者となったウォルコッ…
インドに優秀なIT技術者が多い理由は、初等教育で20×20までの暗算を覚えるからだと言われている。覚え方はメロディをつけて歌う詠唱で、生物は元来、目よりも耳が発達していたため、声に出したほうが記憶に残りやすいそうだ。そんな詠唱などの効果を『記憶力…
ラマヌジャンの生家 数学と折り合いがつかなくなったのはいつからだろう。二次方程式? 素因数分解? 微分積分? いや、もっとさかのぼって小学校の分数か。例えば 1/2 + 1/4 の答えは、単純に分母と分子を足した 2/6 (1/3) ではなく、分母は掛けて、分子は…
司令官が作戦行動とか戦争発起、前進、浸透、包囲、せん滅、消耗など、要するに長々と続く全戦略の実行を頭に描き始める以前に、彼にはしなければならないし当然するべき事柄がある。それは麾下の兵卒に対して、それなくしては兵として生きられない1日当たり…
モニタとマイクが付いた車椅子の印象が強く、サヴァン症候群のような特殊な能力を持っている博士だと思っていたが、『ホーキング、宇宙を語る』を読んで、そのイメージが間違っていた事を知る。アリストテレスの天体論からコペルニクスの地動説、ニュートン…
Photo Link 以前から読みたいと思っていたジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』が、電子書籍としてKindleストアと楽天koboに登場した。ジャレド・ダイアモンドは米国の生物学者。カリフォルニア大学の教授でノンフィクション作家でもあり、1998年に『…
学生時代、図書館に籠もってフーコー、ジル・ドゥルーズ、浅田彰、柄谷行人などの哲学書を読み漁った事があった。覚えているのはリゾームや交通などのキーワードだけだが、今にして思えば、辞書を片手に必死に理解しようとしたあの時の読書体験が、私の言葉…
ヤングのような "マルチ学者" を見るにつけ痛感することだが、総じて昔の学者は一人で広範囲の仕事をしている。それに比べ、近年の「学者」の "守備範囲" は非常に狭くなっている。
Tweet 世界で最も影響力のあるテクノロジー雑誌『WIRED VOL.2』が本日発売された。日本語版WIREDが創刊されたのは1994年11月で、1998年11月の45号を最後に休刊となった。その後はWEB版「Hotwired Japan」から「WIRED VISION」へと引き継がれ、現在の「WIRED.…
Tweet 雑誌「WIRED VOL.2」の発売を記念して、VOL.1のPDF版が無料で公開されている。収録内容は「チェルノブイリのいま – 死の森か、エデンの園か」「世界はすでにコンピューターに支配されている」「ぼくのiPhoneが17人を殺したのか?」など。WIRED.jpのFac…