Life-エッセイ

笑う動物

数ヶ月前から犬を飼い始めた。今年の初めに生まれたトイプードルで、そろそろパピーの時期も終わる頃なのに、人の手はガブガブと噛むし、トイレもなかなか覚えてくれず粗相ばかりしている。それでも可愛いくてしかたがないのだが、最近犬と遊んでいて気づい…

秒速30万キロメートル

「ねぇ」 「ん?」 「あのさぁ」 「なに?」 「もうこうやって電話で話すのキツいんだけど」 「どういうこと?」 「だから、遠距離で会えないのがツラいってこと」 「そっか。でも会って話すより、こうやって携帯で話してるほうが近いんだよ」 「どういうこ…

アインシュタインがいない世界

史上最も美しい方程式といえば「E=mc2」だろう。1905年にアインシュタインが発見し、その後に実用化され世界を変えた方程式。物理学者は自然の法則をできるだけシンプルな等式で解明しようと夢見るが、その夢を具現化したのが「E=mc2」だ。Eはエネルギー、…

逆さメガネ

人は眼の水晶体を通して世界を見ている。厳密には世界をそのまま見ているのではなく、物体に反射する光を見ている。光は凸レンズの水晶体を通って屈折する。屈折した光は上下と左右が反転するため、眼の奥の網膜に映る像も反転している。その映像をもう一度…

魔法の弾丸

20年ほど前の話になるが、深夜に猛烈な歯痛に襲われ救急車を呼ぼうとしたことがあった。救急車なんて大袈裟だと思うかもしれないが、本当にのたうち回るぐらい痛くて悶絶していたのだ。ただ、さすがに歯痛で救急車はないだろうという理性が残っており、なん…

豊かな時間

先月から家でトイプードルを飼い始めた。まだ子犬で、ウン○コやオシッコは床にするし、甘噛みは甘えを通り越して痛いし、何かと世話がやけるのだが、そんな煩わしさを忘れるぐらい愛くるしくて、ついつい可愛いいでちゅねーとバブちゃん語を使ってしまい、家…

エウロパに地球外生命を夢見て

地球のような惑星は宇宙に100億以上あると言われているが、私が生きている間に知性のある地球外生命体と接触する可能性は極めて低い。なぜなら、私たちが地球で電波を使うようになったのは100年ほど前であり、その電波は既に100光年先まで届いているはずなの…

長谷部のリーダーシップ

一昨日、豊田スタジアムにサッカーの日本代表戦を観に行った。日本代表を生で観るのは初めてだ。チケットをとった時は相手がホンジュラスということもあり国内組中心のメンバーを予想していたが、ニュースで海外組が招集されることを知り数日前から興奮して…

哲学は日常に潜む、テレビ番組『哲子の部屋』が面白い

ブログを始めてからほとんどテレビを観なくなったが、『情熱大陸』と『プロフェッショナル 仕事の流儀』だけは今でも観ている。普段は知ることができない、プロの素顔が垣間見えるから面白い。そんなドキュメンタリーとはジャンルが異なるが、最近観る番組が…

宇宙船地球号

Photo Link人が宇宙を思い浮かべる時、その隅には地球の姿がある。宇宙のスケールでは、地球はとてもゆっくり動いているように感じる。ゴゴゴゴゴゴゴゴ。巨大な物体の重低音が聞こえてくるようだ。

ニュートンの恋人たち - まだ科学で解けない13の謎

photo credit: c@rljones via photopin cc 2565年、彼は愛する彼女を失った。彼女はまだ若かったが、病いによる死の運命には逆らえなかった。カプセルの中で眠る彼女は透けるような白い肌をしていて、安らな笑みを浮かべていた。彼は宇宙に放たれるカプセル…

Macのターミナルで雪が降る 〜 最後のホワイトクリスマス

※この物語はフィクションである。私には6歳の息子がいるが、小児性白血病にかかっていて、余命はあと半年と言われている。これまで何度か生死の境をさまよってきたので、本人も長く生きられないことに薄々気づいているようだ。クリスマスイブの夜、病室のベ…

電子書籍の憂鬱

私は電子書籍である。名前はまだ無い。日本ではここ数年の間で電子書籍が普及した。出版社の意向で電子化されていない本もまだまだあるが、iPadやKindleの普及に伴い点数は順調に伸びている。だが、電子書籍は様々な問題を抱えている。今回は、RyoAnnaという…

『万葉集』に見るネットの縮図

Photo Link 『決定版・日本史』を読んでいたら面白い記述が出てきた。 八世紀に成立した『万葉集』には身分に関係なく、天皇から乞食や遊女に至るまでの歌が載せられている。まさに国民的歌集と呼ぶべきものである。

ブロガーとしての通過点

最近、記事がアップされる度に必ず読むようになったブログがある。@RyuNagayamaさんの、KLOCKWORK APPLEだ。Ryuさんは歳が同じぐらいで感性が似ているので、記事のテーマに興味を惹かれる事が多い。人生経験が豊富だからだろう、文章もスマートで大人の風格…

Google Glass 殺人事件

2014年、ネットの大手企業Google社がメガネに装着するウェアラブルカメラを発売すると、世界中で瞬く間に普及した。2007年にiPhoneが登場して以降、スマートフォンを手に持つ人たちで街の風景が変わったように、今では多くの人がGoogle Glassを付けて歩いて…

スプーンが回らないコーヒーカップと彼女

彼女はいつも、カップにスプーンを入れたままコーヒーを飲んでいた。右手でカップを持ち、左手でスプーンを支えて、熱いコーヒーに息を吹きかける。雑誌や本を読んでいると左手が使えないので、スプーンがクルッと回って彼女の鼻に当たった。

1000文字の世界、ショートショートのすすめ

ショートショートと呼ばれる小説がある。短編小説よりも短く、それだけで話が完結していて、400字詰めの原稿用紙で10枚程度のもの。文字数に明確な規定はなく、コンテンストによっては1000文字程度が条件になることもある。

自分を幸せにできるのは自分しかいない

自分を幸せにできるのは自分しかいない。これは@spring_maoの名言だ。

シンタロヲの餃子

Photo by 上州旨餃子 2年ほど前にタバコをやめてから急激に太り始めた。おそらく夜食のお菓子とジュースのせいだろう。特に堅あげポテトとペプシネックスが好物で、毎日食べていたらお腹がドラム缶のように大きくなり、顎が安西先生のように丸くなった。最近…

親父と新聞とトイレ

私が小さい頃、親父はよくトイレで新聞を読んでいた。いつも長居するので家族から文句を言われる。

春友ラーメンのどんぶり

私の数少ないネット友達に、春友という名前のイケメンがいる。iPhoneのブログを通じて知り合ったのだが、私の付き合いが悪いせいで滅多に会う事はない。先日も手作りラーメンの試食会に誘ってくれたが断ってしまった。彼女とのデートがあると見栄を張ったが…

2台のiPhoneを1台のパソコンで管理する方法

5年前の春、窓から桜の木が見えるアパートで私は彼女と同棲をはじめた。ショートカットの彼女は『東京ラブストーリー』の鈴木保奈美のように活発で、『モテキ』の長澤まさみのように可愛い女の子だった。

今年最も印象に残った記事 #ブロネク企画

記事を書く上で最も重要な力は、文章力や構成力ではなく想像力だ。いくら綺麗な文章でも、物語がなければ読者は引き込まれない。アルベルト・アインシュタインは言う「空想は知識より重要である。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。」と。

今は亡き偉大なアーティストたち

とにかく最近はマイケル・ジャクソンばかり追いかけている。曲を聴くだけでなくドキュメンタリー映像もたくさん観たが、群を抜いて素晴らしかったのが『THIS IS IT』だ。同作品は、マイケルが亡くなる直前まで行っていたコンサートのリハーサル映像。歌と演…

笑顔のポップダンサー『KITE』が魅力的

何の脈略もなくポップダンサーKITEにハマった。きっかけはYouTubeで見たこちらのビデオ。外国人を相手にまったく臆することなく、笑顔で踊る姿が素敵だった。poppinの振り付けも独創的で、素人が見ても他のダンサーとは一線を画している。特に、4分20秒から…

イヤホンケーブルの絡まない巻き方

neatly wrap ipod headphones without ties - YouTube 世の中には知らなくてもいいコツと、知っておいたほうがいいコツがある。例えばトウモロコシを下の歯で食べると粒が綺麗に取れるとか、コップの水を上からアイーンと飲むとしゃっくりが止まるとか、そん…

村上春樹が語る文章術

Tweet Photo Link 村上春樹の小説『1Q84』に天吾という主人公が登場する。天吾は小説を書いているが、新人賞をとれない。文章の技術は優れているのに「何か」が足りないのだ。ある日、女子高生が『空気さなぎ』という小説で新人賞に応募してきた。文章は荒削…

世界の終わりとハードディスク・ワンダーランド

Tweet サーバーのハードディスクが壊れて、クリティカルな状況になった。データが消えると世界が終わる。RAID5で構成したDISK3台のうち、壊れたDISKを交換する。リビルドが始まって5分後、突然DISKのステータスランプが赤点滅する。モニタがブルーバックにな…

知るために書くということ

Tweet どうしてブログを書くの?と聞かれたら「知るためだ」と答える。読者に誤った情報を伝えてはいけないので、一つの記事を書くのに膨大な資料に目を通す。そして書き終えてグラスにワインを注ぎ、タバコに火をつけてこう思う、今日も沢山の未知に出会え…