すべてのiPhoneユーザーにお勧めする森博嗣S&Mシリーズ
森博嗣のS&MシリーズがiPhoneアプリとしてリリースされた。
昨年12月にリリースされていたようだが、私が知ったのは数日前だ。カフェでぼんやりと眺めていたツイッターのタイムラインに、突然その情報が流れてきた。カフェといってもオシャレなカフェではない。いわゆるコミックカフェ、つまり漫画喫茶なのだが、シーンと静まる店内で「まじか!」と叫ぶぐらい興奮した。
森博嗣の小説を読んだ事がない人のために、少し解説しよう。
森博嗣は工学博士でもあり推理小説家でもある。1996年、デビュー作「すべてがFになる」で第一回メフィスト賞を受賞し、「理系ミステリィ」と評され話題となった。
同作品には、S&Mシリーズの中心人物である、国立N大学建築学科助教授の犀川創平と、同大学建築学科学生の西之園萌絵が登場する。犀川(さいかわ)と萌絵(もえ)。二人のイニシャルをとってS&Mシリーズだ。
S&Mシリーズ
- すべてがFになる The Perfect Insider
- 冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room
- 笑わない数学者 Mathematical Goodbye
- 詩的私的ジャック Jack the Poetical Private
- 封印再度 Who Inside
- 幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic
- 夏のレプリカ Replaceable Summer
- 今はもうない Switch Back
- 数奇にして模型 Numerical Models
- 有限と微小のパン The Perfect Outsider
このS&Mシリーズを読む事ができるアプリがこちら。
小説はアプリ内課金で購入する。1冊600円だ。
電子書籍アプリとしては、必要十分な機能を備えている。文字の大きさ変更、縦書き横書きの変更、画面の明るさ調整、ページジャンプ、リジューム機能などがある。
久しぶりに森博嗣を読んだが、やはりS&Mシリーズは推理小説としてもエンタテイメントとしても、最高の出来だ。
「すべてがFになる」の一部を引用しよう。
論理的かつ客観的に事件を解決しようとする犀川。変わり者だが人間味もある助教授。
頭の回転が速く直感力にすぐれた萌絵。世間ズレした理系少女のお嬢様。
萌絵の父親は大学の教授で、犀川の恩師にあたる。萌絵の父親と母親は飛行機事故で亡くなっており、墜落現場には二人を迎えにきた犀川と萌絵がいた。萌絵は犀川の事が好きだ。
ここで引用した本文は、犀川や萌絵だけのものではない。物語の中心人物:真賀田四季博士の言葉も含まれている。
犀川と萌絵に絡む個性的な脇役。作品中にちりばめられた哲学的思考とトリック。
小説を読まない人も、ミステリーを読まない人も、ぜひ一度「すべてがFになる」を読んでみて欲しい。
必ずや興奮し、次作「冷たい密室と博士たち」も購入する事になるだろう。
関連記事
- テキストと小説|村上龍 歌うクジラ - #RyoAnnaBlog
- iPhoneで読む京極夏彦の新刊は吉と出るか凶と出るか - #RyoAnnaBlog
- 萌えぬなら 燃やしてみせよう 紙媒体 - #RyoAnnaBlog
- EPUB形式で作成した電子書籍を、iPhoneやPCのStanzaで読んでもらう方法 ...
- AppleがiPad miniを発売すべき理由 - #RyoAnnaBlog