暴力に対する一つの解、映画『未来を生きる君たちへ』



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アカデミー賞ゴールデングローブ賞で、外国語映画賞を受賞した映画『未来を生きる君たちへ』を観た。同作品は2010年に公開された映画で、原題はデンマーク語で『Hævnen』、直訳すると『復讐』。


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学校でイジメにあう息子と、医師としてアフリカの難民キャンプに赴任する父親。ある日アフリカで、父親の元に殺人犯が患者として運ばれてきた。救うべきか見殺しにすべきか。一方、デンマークでイジメにあっている息子は、友達に助けられた事をきっかけに暴力にどう立ち向かうか考える。


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デンマークとアフリカで進行する生と死の物語、ウェットな日常とドライな非日常、家族の愛情と人間の非情。湿った感情を描きながらも、所々で挿入されるアフリカの渇いた風景が美しく、最後まで緊張感が続く映画だった。


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物語の終盤、息子と友達との間で事件が起こる。父親は息子の友達に対して死について語る。「生きている者と死者の間には見えない"幕"がある。愛する人や親しい人を失った時に、その幕は取り去られる。死を見るんだ。とてもはっきりと、でもほんの一瞬だ。その後、幕は元の場所に戻り、私たちは生きて行く。以前と変わらずに。」



暴力は至る所に存在する。街、家庭、会社、学校。肉体的な暴力と、言葉の暴力。もし自分の子供がイジメにあっていたら、どう立ち向かうか。目には目を歯には歯を「暴力には暴力を」は正しいのか。一つの解がこの映画にはある。

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