子育て中の親に安らぎを、映画『おおかみこどもの雨と雪』



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自分の子供というものは不思議で、寝ている時は天使のように可愛いのに、起きている時は憎たらしくもあり、ついつい大きな声で怒ってしまう事がある。だが、映画『おおかみこどもの雨と雪』の母親は怒らない。


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おおかみこどもの雨と雪』は、2012年7月に公開された細田守監督のアニメ映画。おおかみ男と恋に落ちた女性・花が、二人の間に産まれた姉・雪と弟・雨を育てる物語。

姉弟は夜泣きをしたり、ワガママを言ったり、部屋を汚したり、病気になったりと、人間の子供と同じように手がかかる。だが、母親の花は怒らない。おおかみ子供を産んだ親としての、責任を果たそうしているからだろう。


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この映画はフィクションであり理想像だ。現実では怒らない親なんていない。だが、『おおかみこどもの雨と雪』には、親の怒る声を和らげ、叩く手を止める力がある。感情的で身勝手な自分を後悔させると同時に、安らぎを与えてくれる。



先日、5歳の子供が虐待で亡くなったニュースを見た。火がついた線香を押し付けられ、手や棒で殴られて歯が抜けた夜、お母さんと一緒に寝たいと言い残して息を引き取ったそうだ。

その両親が『おおかみこどもの雨と雪』を観ていたら何を感じたのだろう。虐待がエスカレートする前にこの映画に出会っていたら、違う道があったかもしれない。そう思うと胸がきつく締め付けられる。

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