エンジン、モーター、ギア、時速に応じてスムーズな切り替えを『新型フィットハイブリッド』
新型のフィットハイブリッドが納車され、2週間ほどが経過した。フィットのパッケージングは本当に素晴らしい。先代と比べて全長が6cm伸びた新型は、家族4人で乗っても十分なゆとりがある。後部座席をフラットにしたり跳ね上げたりできるので、様々なシーンで使える。
燃費も良い。街中と郊外を走って平均24km/ℓ。カタログ値は33km/ℓとなっており、7割を満たしているので合格点だろう。モーターで発進してエンジンに切り替わり、減速時に充電する。これは、現時点で実現できる最も効率の良いシステムではないだろうか。
ただ、ホンダの新型エンジン「i-DCD(インテリジェントデュアルクラッチドライブ)」は改善の余地がありそうだ。
i-DCDはモーターとエンジンを効率良く使うために開発されたハイブリッドシステム。仕組みは7速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)で、2枚のクラッチと、1・3・5・7の奇数段ギア、2・4・6の偶数段ギアで構成されている。モーターは奇数段につながっており、発進時やハイブリッド走行時にシャフトへ動力を伝える。
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i-DCDはギアとクラッチを交互に接続し、走行中に次のギアをスタンバイさせる事でスムーズな変速を可能にしている。だが、気になるのは低速・中速走行時の変速タイミング。
時速10km〜20kmで走行していると、シフトアップされない事がある。エンジンブレーキがかかっているような状態になり、エンジン音も大きくなる。また、中速走行時も違和感がある。時速50km〜60kmでエンジンからEV走行に切り替わるが、そのタイミングでトルクが抜けて失速する事がある。
新型フィットハイブリッドは初期生産分のみリコールがあった。変速を制御するコンピュータープログラムの不具合で、修正版を適用すると1速から2速への切り替えがスムーズになるそうだ。私の車は対象外だったが、初回点検時にディーラーに相談しようと思う。
i-DCDは発展途上なのか限界なのか。DCTとモーターを組み合わせたシステムは、無段変速のCVTやATでは味わえないフィーリングがある。マニュアル車のようにシフトアップを身体で感じて、車と一体になって前進する。運転していて楽しい。だからこそ、更なる調整を期待したい。
iPhoneやMacのアップデートのように、車も買い切りではなく、毎年チューンアップされると嬉しいのだが。
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