時間の架け橋、向野橋
名古屋の撮影スポットをウェブで探していたら、向野橋という跨線橋が目に止まった。名古屋駅から歩いて20分ほどのところにある橋で、下を通る線路に特徴がある。名古屋のあおなみ線、近鉄線、JR関西線、車両区など、10本以上の線路に橋が跨っているのだ。Googleマップはこちら。
読み方は「こうやばし」。ウィキペディアのページはこちら。歴史は古く、元々は1899年にアメリカで造られた鉄製の橋で、そこから巡り巡って1930年に名古屋に移転された。現在は老朽化のため、車の通行が規制されている。
眼下に広がる線路を眺めていたら、瑣末な日常を忘れていた。夕焼けとセットで撮れたらよかったのに。そんな風に後ろ髪を引かれながら帰ろうとしたら、ふと昔の記憶が蘇った。向野橋を訪れるのは初めてのつもりだったが、以前にもここを通った事があったのだ。
もう何年も前の話になるが、当時好きだった女の子と名古屋でご飯を食べた後、彼女をマンションへ送る時にこの橋を通った。夜だったので辺りは暗かったが、橋から見る風景がノスタルジックだったので記憶に残っていた。
恵那峡の時もそうだったが、橋は海馬の奥で眠っている記憶を呼び起こす。記憶のスイッチ。覚醒装置。橋は此岸と彼岸の空間を繋ぐものだが、現在と過去の時間も繋いでくれるようだ。
撮影カメラ