富士フイルムX100Fの使い方 - フィルムシミュレーションの作例とブラケティング撮影

クラシッククローム


富士フイルムのカメラを選ぶ理由は、フィルムシミュレーションにあると言っても過言ではない。フィルムシミュレーションは富士フイルムが独自に作ったプリセットで、他のメーカーではピクチャースタイルやクリエイティブスタイルと呼ばれている色調セットだ。

富士フイルムは長年、絵作りに対して技術と経験を培ってきた。富士フイルムは主要なカメラメーカーの中で、唯一フィルムを開発しているメーカーだ。ポジフィルムのVelviaやモノクロフィルムのACROSは、今でも販売を継続している。

フィルムシミュレーションはフィルムの質感をデジタルで再現してくれる。クラシッククロームで撮影した冒頭の写真が、その一例だ。今回はX100Fのフィルムシミュレーションと、ブラケティング撮影の機能について紹介したい。

X100Fのフィルムシミューレーション

PROVIA/スタンダード
標準的な発色と階調で人物、風景など幅広い被写体に適しています。


Velvia/ビビッド
高彩度な発色とメリハリのある階調表現で、風景や花の撮影に適しています。


ASTIA/ソフト
肌色のつながりを良くしつつ、青空も鮮やかに写るようになります。屋外のポートレートに適しています。


クラシッククローム
発色をおさえて暗部のコントラストを高めます。落ち着いた表現に適しています。


PRO Neg. Hi
PRO Neg. Stdに比べて階調をやや硬めにしています。屋外でのポートレートに適しています。


PRO Neg. Std
全体的に落ち着いたトーンになります。さらに肌色再現の階調のつながりを重視し、スタジオでのポートレート撮影に適したモードです。


ACROS
質感豊かでシャープな表現のモノクロです。さらに Ye、R、G のフィルターを選んでコントラストを調整します。


モノクロ
モノトーンの表現を活かした印象的な仕上がりの撮影に適しています。さらに Ye、R、G のフィルターを選んでコントラストを調整します。


セピア
ウォーム調の色合いであたたかみのある雰囲気の表現に適しています。


※選んだフィルターの補色の色が濃くなります。Yeフィルター は青から紫系が濃くなり、Rフィルター は青から緑系が深くなります。Gフィルター は赤系、肌色系が深くなるので人物撮影などに適しています。

 
上は使用説明書の引用。X100Fには15種類のフィルムシミュレーションが用意されている。今回は作例として3セット撮影した。写真の右の矢印をタップすると次の写真に切り替わる(矢印がない場合は、画面を写真の下までスクロールして上に戻すと表示される)。フィルムシミュレーションの名前は左下に表示される。写真はすべてJPEG撮って出し。階調や露出など、撮影時の設定はすべてフラットだ。

作例 1

FUJIFILM X100F FILM SIMULATION 1

作例 2

FUJIFILM X100F FILM SIMULATION 2

作成 3

FUJIFILM X100F FILM SIMULATION 3


私はクラシッククロームとACROSが好きで、ブラケティング機能を使って一度に二枚の写真を保存している。X100Fには露出やホワイドバランスなどを三段階で保存できるブラケティング機能があり、フィルムシミュレーションを三つ選ぶこともできる。詳しくはオフィシャルサイトの説明を。

富士フイルムの絵作りに対するこだわりは強い。ACROSだけで四種類もプリセットを用意しているのだ。別の記事で紹介する階調のカスタム選択でも感じるが、富士フイルムは写真撮影をカメラだけで完結させることに重きを置いている。実際やってみると分かるが、カメラで色調や階調を選ぶのは楽しい。写真はPCで撮るものではないのだ。


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