それぞれの生活 - 岡崎市の六名歓楽街

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岡崎市美術博物館を撮りたかった。ガラスの建築と自然のコントラストが絵になる博物館で、いい写真が撮れると確信して意気揚々と向かったのだが、到着すると無情にも改装中の看板が立っていた。仕方なく別の場所に向かったのだが、家に帰ってよくよく調べてみると、私が訪れたのは二文字少ない岡崎市美術館だった。下の写真は「美術館」の中を無駄に恨めしく撮ったもの。建物の中に庭があって、そこからガラスの建築が撮れると思っていたのだ。


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ただ、無駄な行動も時には功を奏することがある。意気消沈して美術館を去り、周りをふらっと歩いていると、絵になる歓楽街を見つけた。私は撮影スポットに対する嗅覚が少しあるようで、予期せず迷いこむことがある。


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場所は「美術館」から歩いて数分のところにある明大寺町歓楽街。町の名前は明大寺だが、最寄駅は愛知環状鉄道六名駅(むつな)で、古くからある歓楽街のようだ。


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私が訪れたのは午後の早い時間帯で、全くと言っていいほど人は歩いていなかった。明らかに潰れている店もあり、もう閉鎖されている歓楽街かとも思ったが、生活の気配をかすかに感じた。電話機の奥に置いてあるゴミ袋や、チェーンに結んである綺麗な雑巾から、残像のようなものを感じたのだ。


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おそらく夜は灯りがともる店もあるのだろう。東南アジアの女性が日本人の客を歓待して、日本人のオーナーが売り上げを管理する。そんな縮図を想像したが、案外どんな生活をしていても、人の幸福度は変わらないのかもしれない。帰りがけに店の奥から、外国語で話す女の人たちの笑い声が聞こえてきた。


撮影カメラ