二度目の仕事
前回の仕事はスナップ寄りのポートレートだったが、今回は男性のフォーマルなプロフィール写真。依頼者が求めていたのは、縦・正面・バストアップ・全身のスタンダードな構図だった。
撮影した場所は公園と室内。公園は撮り慣れているので大きな問題はなかったが、室内は反省すべき点があった。部屋の壁のように背景が単調で、ストロボの方向も決まっていると、腕の良し悪しが如実に現れる。
具体的には、ストロボを天井にバウンスしてTTLで調光した際、カメラのシャッタースピードをオートにしていたため、光量とホワイトバランスにバラつきが出てしまった。
その後自宅でテストしたところ、カメラの露出を次の値で固定して、ストロボのTTLだけで光量を調整すると安定した。
ストロボを使うときは、カメラかストロボのどちらかをマニュアルしたほうが良さそうだ。
ちなみに、富士フイルムのカメラは顔検出と瞳AFをONにするとストロボのTTLが安定しない。顔検出が効いたときと効かなかったときで、明らかに光量が変わる。X-T2もX-Pro2も同様で、ストロボは純正でもサードパーティでも同じ結果だったため、現状はどうしようもないようだ。
また、フォーマルなプロフィール写真は相手の表情を作るのが難しかった。撮られることに慣れていないと、顔と身体が強張ってしまう。だから積極的に話しかけた。
- 深呼吸してリラックスしましょう。
- 自分をどう見せたいかイメージしましょう。
- 楽しいことや好きなものを思い浮かべましょう。
私だったら小松菜奈を想像すると伝えた。あのアンニュイな目がたまらなく好きで、私なら彼女を落とすために自分をどう見せるか考えるという話をした。
そんなアドバイスが功を奏したのかスベったのか分からないが、次第に相手の表情が和らいだ。プロフィール写真はカメラのテクニックもさることながら、コミュニケーションが大切なようだ。
撮影地
撮影機材