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息子とカメラ

Camera Essay

Son and Camera

カメラが欲しいと息子が言い出した。

最近私が写真ばかり撮っているからだろう。

どんな写真が撮りたいのか聞いたら、「綺麗な写真。城を撮りたい」と一丁前なことを言う。それならデジタル一眼レフカメラがいいかもしれない。小学四年生には早いかもしれないが、写真の仕組みを覚えるにはもってこいだ。

よし。お父さんが中古のカメラを探してやろう。そう伝えると、息子は飛び跳ねて喜んだ。5000円ぐらいならと嫁にも了解をもらい、仕事の休みを利用して一人で名古屋のビックカメラに行った。

悩んだ。かなり悩んだ。私にとっては清水の舞台から飛び降りる金額だ。店の中で実際にレンズを装着し、何度も何度も試し撮りをした。そしてようやく決心して店員に伝えた。


Canon EOS 6DSIGMA 35mm F1.4 を下さい。新品で」


家に帰り、これまで私が使っていた初代EOS Kissに6Dのストラップを付け、6Dに私のストラップを付け替えた。学校から帰ってきた息子にEOS Kissを渡すと、雄叫びを上げて喜んだ。

少し悪いことをした気がする。中古のカメラを買うと嘘をついたからだが、私がフルサイズを欲しくなったタイミングと一致したし、初代EOS Kissも家の中で埋もれるよりは幸せだろう。

それにしても息子は小さい頃から勘がいい。嫁の前で「お父さんのカメラ変わった気がする」とつぶやいたときは、心臓が高鳴った。