iOSの歴史とターニングポイント
2008年7月に日本でiPhone 3Gが発売されて以来、iOSは常に進化してきた。2.2で絵文字、3.0でコピー&ペースト、4.0でマルチタスク、5.0でiCloud、そして6.0…
今回は、iOSの転換点となった機能を、歴史を振り返りながら紹介したい。
1. App Store
2007年6月に米国で初代iPhoneが発売された時は、App Storeが存在しなかった。アプリをインストールするにはJailbreakするしかなかったが、翌年7月、iPhone 3Gと同時にリリースされたiOS 2.0で、初めてApp Storeが登場する。それから現在まで、App Storeでは70万個以上のアプリがリリースされている。
2. 連文節変換
2008年9月にリリースされたiOS 2.1で、日本語入力の連文節変換に対応した。それまでは単語しか変換できず、日本語入力の処理も遅かったが、OSのアップデートで徐々に解消された。この頃はアップデートが頻繁にあり、その度に一喜一憂したものだ。(iPhoneが日本で受け入れられた理由とは? - #RyoAnnaBlog)
3. 絵文字
2008年11月、iOS 2.2で絵文字がサポートされた。ソフトバンクの孫さんがジョブズに「日本のメールには絵文字が必須だ」と直訴して実現したそうだ。日本でiPhoneが普及したのは、孫さんのフットワークの軽さに由るところも大きい。
4. コピー&ペースト
2009年6月、iPhone 3GSと同時にリリースされたiOS 3.0で、ようやくコピー&ペーストが実現した。国産携帯ですら対応していた機能がなぜ無かったのか。アップルはタッチパネルでのベストな操作方法を模索していたのかもしれない。(iPhoneのコピー&ペーストがストレスだと気づく『Arrow Note』 - #RyoAnnaBlog)
5. 画面の縦横
2010年4月、初代iPad向けのiOS 3.2で、横向きのホーム画面表示に対応した。続いて2010年6月、iPhone 4と同時にリリースされたiOS 4.0で、iPhoneは画面の向きを固定できるようになった。それまではベッドで寝ながらiPhoneを使うと、画面がくるくる回転していた。
6. マルチタスク
iOS 4.0でマルチタスクが実装された。それまではiPodなど一部のアプリしかバックグラウンドで動作しなかった。マルチタスクに対応したことで、アプリを終了するとスリープ状態になり、次回起動した時はその状態で復帰するようになった。(iPhoneのSafariを多機能アプリとして使う - #RyoAnnaBlog)
7. フォルダ
iOS 4.0でホーム画面にフォルダを作成できるようになった。アプリであふれかえったホーム画面を綺麗に整理できるようになった。(iPhone:iOS 4 フォルダ分けの極私的ルール×3 - b2log/p)
2011年10月、iPhone 4Sと共にリリースされたiOS 5.0で、iCloudとiTunes Wi-Fi Syncのシステムが追加された。ついにiPhoneがPCフリーになった。iPhoneとパソコンをケーブルで繋がなくても、iOSをアップデートしたりバックアップする事ができるようになった。
9. 通知センター
iOS 5.0では通知センターの機能も追加された。これまでの通知はダイアログ形式だけで、別の操作をしている時に無条件で割り込まれていた。通知センターにより、後で確認すればいいものをバナーに、その場で確認したいものをダイアログにと、通知の重要度によって設定を変えられるようになった。
10. マップ
2012年9月、iPhone 5と同時にリリースされたiOS 6.0。それまで右肩上がりだったiOSの顧客満足度が、初めて下がったそうだ。おそらく原因はマップにある。Googleとの契約問題や表示速度の問題など、様々な理由があるそうだが、いずれにせよアップルはオリジナルのアプリを選択した。
iPhoneが登場する前の携帯電話は楽しくなかった。OSは本体を買った時のままで進化せず、追加できるアプリもほとんどない。そんな中で発売されたiPhoneは衝撃的だった。
だが、iPhoneも最初から使いやすかったわけではない。今では当たり前となっているiOSの機能も、こうして歴史を振り返ると段階的に実装されたことが分かる。
Googleと決別してオリジナルのマップを採用したiOSは、新たなターニングポイントを迎えた。iOSが登場した時の感動を、もう一度味わえると嬉しい。
参考記事
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