写真の客観性
一枚目は窓越しに木の枝を撮影したもの。二枚目は石鉢の中のモミジを撮影したもの。どちらも個人的には気に入っているが、写真としてはあまりよくない。
一枚目は窓の錠のボケが強すぎて、室内から窓越しに撮影していることがはっきりしない。もう少し絞るか、錠にピントを合わせて木の枝をボカしたほうが良かった。
二枚目は石鉢の中ということが伝らないし、水の中にモミジが沈んでいる状況も分かりにくい。石鉢の縁をフレームに入れるなどして、手掛かりを残すべきだった。
自分がいいと思う写真と、人がいいと思う写真が違うことがあるが、理由はこの辺りにあるようだ。
撮影者はその場の記憶が強いため、印象に残っているシーンを感覚で選ぶ。見る人はその場の状況を知らないため、被写体、構図、明暗、焦点など、すべてを客観的に判断する。
一枚目の写真だが、実はこれでも少し工夫している。最初は窓の枠が影になっていたので、角度をつけて光を当てた。この客観性を常に意識すれば、写真がもっと良くなる気がする。