すべてのクラウドをレトリーヴする時代
クラウドという言葉の歴史は浅い。Wikipediaによると、GoogleのCEOであるエリック・シュミットが「検索エンジン戦略会議」でクラウド・コンピューティングと表現したのが最初とされている。2006年8月の事だ。
クラウドと聞くと難しい概念のように感じるが、いつも私達が利用しているGoogleやTwitter、Evernoteもクラウドの1つだ。語源は英語の「cloud」。日本語で「雲」。インターネットをイメージする図に、雲のイラストが使われた事が由来とされている。
多くのクラウド・サービスが生き残りをかけ品質を向上させていている。新しいサービスも絶え間なく生まれる。だが、サービスが増えるほどユーザーの思考は一時停止する。イマジネーションをソリューションへ導く際に、使うサービスを選択するワンアクションが流れを止めるからだ。
全てのクラウド・サービスを検索するポータルなサイトがない。
今回はiPhoneアプリ「Super Search」を紹介する。これは今後のクラウドサービスに一石を投じるアプリとなる予感がする。このソリューションをiPhoneやAndroidにとどめるのはもったいない。OSに依存しないWebサイトが検索ポータルを実現した時、真のクラウド・コンピューティングの時代が到来する事になるだろう。
Super Search Pro(AppStore 350円)
このアプリはGoogleやTwitterなど、主要サイトがあらかじめ用意されているが、真価を発揮するのは自分でサービスを追加した時だ。
追加の方法は最初に表示される画面で右上の「+」をタップして、URLを入力する(First Step)。次に、表示されたサイトで検索窓に「super search」と入力して検索する(Step Two)。最後にタイトルを決めれば、次回から簡単に各サービスで検索する事ができる(Last Step)。
カスタム
以下は私が追加した代表的なサービス。
1.Twilog
デフォルトでもTwitterは登録されているが、よく利用するTwilogを登録した。Twilogの特徴は過去の記事でも書いた。簡単にツイートを検索する事ができる。
2.Evernote
Evernoteのクリップを検索する事ができる。過去にも書いたが、私はTwitterでスターをつけた記事をEvernoteに流している。本当はふぁぼったーの全文検索をSuper Searchに登録したいのだが、現在はサービスを停止しているようだ。
EvernoteをSuper Searchで利用するには問題もある。検索結果のページの下部が切れる。ロードにも時間がかかる。また、EvernoteはiPhoneに最適化されたモバイルページがあるのだが、Super Searchはそれを利用できない。今後あらゆる面で最適化される事に期待したい。
3.Google
Google検索。iPhoneに最適化されている。あらかじめ用意されているGoogle検索は、全ての言語を検索する設定になっているため、日本のGoogleを追加で登録したほうがいい。
4.Yahoo!辞書
これもEvernoteと同様、モバイルページは登録できなかった。ただ、PC版のページでも十分実用に耐える。
はてなブックマーク全体の中から検索ができる。本当は自分のブックマークを検索したいのだが、はてながインクリメンタルサーチを利用しているせいか、Super Searchには登録できなかった。他のサービスで代用できればよいのだが。
6.Wikipedia(日本語版)
デフォルトでもWikpediaは登録されているが、そちらは英語版なので日本語版を登録した。EvernoteやYahoo!辞書と違い、モバイル版のページで検索可能だ。この辺りはサイトによって違いがあるようだ。
デフォルト
以下はSuper Searchにあらかじめ登録されているサービス。
1.Twitter
Twitterの検索のコツは過去にも何度か紹介した。こちらの記事を参考にして欲しい。
2.Google Images
Googleの画像検索がUIを変更したようだ。画像をカメラロールに保存したい場合は、Super Search内ではできない。画面右上のコンパスのアイコンをタップしてSafariにジャンプする必要がある。
まとめ
Evernoteやはてなブックマークがもう少しスマートに使えると、よりいっそうSuper Searchの恩恵を受ける事ができるだろう。この辺りは工夫次第で解決できる気もする。TwilogやTwitter、Google、辞書、Wikipediaは実用的だ。全てのサービスがこのアプリからストレスなく検索できるようになれば、シームレスなクラウド・コンピューティングを体感できるだろう。
このアプリは無料版もある。Super Search(AppStore 無料)。ただ無料版は自分で検索サービスを追加する事ができない。
今回の記事タイトルのレトリーヴとは英語で「retrieve」、日本語で「検索する」を意味する。由来はゴールデンレトリバー。この犬はペットとしても有名だが、本来はハンターが撃った鳥を探して、主人の手に届けるのが役目だった。
Super Search Pro(AppStore 350円)
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