名著『森田療法』など、講談社現代新書のKindle本がセール中

Kindle講談社現代新書のフェアが開催されている。期間は3月9日までで、最大50%OFF。タイトル数はそれほど多くないが、その中に私がお勧めしてきた『森田療法』がある。

森田療法とは、1921年頃に森田正馬が創始した神経質症に対する精神療法。西欧の心理療法神経症者の不安や葛藤を分析し、異物として除去しようとする傾向があるが、森田療法は不安や葛藤を「あるがまま」の姿で認めて、自己実現するために「目的本位」の行動に移す事を目標にしている。

赤面恐怖、体臭恐怖、疾病恐怖、不潔恐怖、過失恐怖、書痙など、神経質症には様々な症例がある。例えば大勢の人前で喋る時、緊張して足が震えることがあるが、それを「あるがまま」受け入れ、聴衆に意志を伝える事に集中すれば目的が達成できる。私自身、学生時代に父親から本書を勧められ、様々な場面で救われた。

著者の岩井博士は癌の影響で下半身が麻痺し、両目の視力を失った状態で本書を口述筆記したそうだ。生きる意味を見失いそうになってもなお、将来に対する不安を「あるがまま」に受け止め、自身に課した義務を果たした。神経質症で悩んでいる人に限らず、生き方に迷っている人にもぜひ読んで欲しい一冊だ。

講談社現代新書クラシックスフェア(Kindle)