富士フイルムX100Fの使い方 - NDフィルタと光りの関係
写真とは飽くなき光りの探求である。
絞り、シャッタースピード、ISO感度。撮影者はこの三つの要素を組み合わせて、光りをコントロールする。
レンズを絞ると光量が減り、被写体の明瞭度が増す。開放すると光量が増え、被写体の柔らかさが増す。
シャッタースピードを上げると光量が減り、被写体が止まる。下げると光量が増え、被写体が動く。
ISO感度を下げると光量が減り、被写体の明瞭感が増す。上げると光量が増え、粒状感が増す。
例えば、絞りを固定して他をオートにすると、カメラはシャッタースピードとISO感度を自動調整して、適切な光量にする。
自動調整してもなお明るさに問題がある場合は、露出補正でシャッタースピードとISO感度を調整する。
設定値と光量の関係はこちらの記事が詳しい。
そして、これらの三角関係にもう一つの要素を加えるのが、X100Fに搭載されているNDフィルタだ。
NDフィルタは光量を物理的に減らすことができる。光量は先の三角関係で減らすこともできるが、過度な調整は絵作りに影響する。
レンズを絞り過ぎると柔らかさがなくなるし、シャッタースピードを上げ過ぎると動きがなくなる。それらに影響を与えることなく光量を減らすのが、NDフィルタの役目だ。
例えばこの写真と冒頭の写真。
どちらも同じロケーションだが、冒頭の写真はNDフィルタをオン、下の写真はオフにして撮影した。露出補正も加えたのでシャッタースピードが変わっているが、冒頭の写真はNDフィルタを使ったからこそ、豊かな階調と柔らかさが残っている。
NDフィルタは風景を撮影する時によく使われる。例えば水が落ちてくる滝を撮影する際に、光量を抑えつつシャッタースピードを下げると、水の動きが表現できる。
私はスナップでもNDフィルタを使う。フィルム写真のような柔らかい絵が好きだし、被写体の動きも残したい。レンズを開放しつつ、シャッタースピードを抑える。そんな時は露出補正ではなく、NDフィルタが効果的だ。
X100FはレンズにNDフィルタが内蔵されている。NDフィルタをオンにすると光量が三段分減る。ただのギミックではない。絵作りに影響する機能が、こんな小さなボディに搭載されている。だからX100Fは手離せない。
撮影カメラ
X100F関連記事
- 富士フイルム『X100F』は一つの完成形 - X100Tとの比較レビュー - #RyoAnnaBlog
- 富士フイルムX100Fの使い方 - カメラポーチ編 - #RyoAnnaBlog
- 富士フイルムX100Fの使い方 - ファンクションボタンのカスタム設定 - #RyoAnnaBlog
- 富士フイルムX100Fの使い方 - フィルムシミュレーションの作例とブラケティング撮影 - #RyoAnnaBlog
- 富士フイルムX100Fの使い方 - ハイライトやシャドウのカスタム設定 - #RyoAnnaBlog
- 富士フイルムX100Fの使い方 - ハイライトやシャドウのカスタム設定 - #RyoAnnaBlog