文体が生まれるまで

 最近写真のことばかり考えていたので、息抜きに映画を観た。選んだのは邦画の『セトウツミ』。目当ては菅田将暉だったが、印象に残ったのはもう一人の主演、池松壮亮だった。

 この映画は、菅田将暉池松壮亮の会話で構成されている。私が好きな中条あやみも出演しているため、ついつい気が逸れてしまう場面もあるが、メインは二人の掛け合いだ。

 印象に残ったのは、池松壮亮の淡々とした喋り方だ。喋るスピードがゆっくりで、少しウィットに富んでいる。ちょっとのことでは動じず、冗談があまり通じない。それでいて、どこか可愛げのあるタイプ。

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世界の見方が変わる映画『この世界の片隅に』

観終わると恍惚とする映画がある。文字通り光に包まれたように放心するのだが、それも束の間、生きる糧を見つけたような気がして、次第に力が湧いてくる。『この世界の片隅に』はそんな映画だった。

この世界の片隅に』は2016年に公開された長編アニメーション。最初はミニシアターでの上映だったが、評判が評判を呼び、ついには『君の名は』を押さえて日本アカデミー賞を受賞した。

話題になっていた当時は、一見すると「まんが日本昔ばなし」のような作画だったので敬遠していたが、先日レンタルが開始されたので観たところ、端的に言って傑作だった。

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命をかけるとき - 映画『太陽の蓋』を観て

私は名古屋に住んでいるが、東日本大震災の影響は大きかった。地震が発生して3日後に関東で輪番停電が始まったが、それが仕事に影響して、毎日が多忙になったのだ。だから津波原子力発電所の事故は直接影響はなかったものの、震災の衝撃は今でも色濃く記憶に残っている。

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映画『月に囚われた男』

月に囚われた男』は、デビッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズ監督のデビュー作。当初は劇場で公開される予定はなかったが、サンダンス映画祭で好評を得て、2009年に公開された。

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映画から写真を学ぶ『The Fall 落下の王国』

以前から気になっていた『The Fall 落下の王国』を観た。この映画は2006年に公開された米・英・印の合同作品で、13の世界遺産、24の国でロケを重ねた映像が話題を呼んでいた。

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愛する人を信じて裏切られ、愛する人を疑って後悔する、映画『怒り』

映画『怒り』のレンタルが4月5日から開始された。

『怒り』は2016年に公開された日本のサイコサスペンス。監督は『悪人』の李相日。音楽は坂本龍一。出演は渡辺謙妻夫木聡綾野剛松山ケンイチ森山未來宮崎あおい広瀬すずなど、日本を代表する俳優・女優が顔を並べている。

見どころは深いストーリーと役者の演技。

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映画『バードマン』と確証バイアスの極致

どうして俺の記事はヒットしないんだ。はてなの互助会、増田、売れっ子ども。そんなチンカス野郎の記事にはブクマがつくのに、俺の記事はいつもスルーされる。

昔は大量にブクマがついた。アルファブロガーと呼ばれたこともあった。あの栄光はどこにいった。俺の読者はどこに消えたのだ。

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