世界との関わり方が変わる10冊 #2014

優れた本には、世界との関わり方を変える力がある。流行を追うのではなく、物事の本質をつかむことができる本。読み終えると世界の見方が変わり、目の前に道が開ける本。そんな本に出会うと、自分の可能性が広がることを感じる。

今回は、数学・科学・デザイン・文章など、様々なジャンルの名著を紹介したい。

数学

普段は意識していないが、私たちの身の回りは方程式で満ちあふれている。インターネット、GPS、電子レンジ、高層建造物、金融、そして核爆弾まで。科学技術は、自然の中に隠れているパターンを解明することで発展してきた。本書は方程式にまつわる正と負の側面を、ドラマチックに丁寧に教えてくれる。

世界は数学で満ちている『世界を変えた17の方程式』 - #RyoAnnaBlog


科学

自然界に潜む神秘的な同期現象を、科学的に解明しようとする本。例えば数百匹が同時に明滅するホタル、卵子を目指して同時に尾ひれをふる精子、心臓を動かすために同時に振動するペースメーカー細胞など。本書は、私たちの生活に同期現象が深く関わっていることを教えてくれる。

同期現象の解明に挑む『SYNC ー なぜ自然はシンクロしたがるのか』 - #RyoAnnaBlog


宇宙

重力が自然界に及ぼす影響と、重力理論の発展の歴史が丁寧に解説されている。ニュートン力学から始まり、アインシュタイン理論、量子力学超弦理論まで、文字を目で追うだけでなく、理解しながら読めるところが凄い。本書を読み終えると、何気ない自然現象が気になり始める。

『重力とは何か』が名著である理由 - #RyoAnnaBlog


IT

情報単位の誕生、情報の起源、伝達手段の進化、最新の処理技術。それらを緻密にドラマチックに描く本。人は古来から音や文字を使って情報を伝達してきたが、19世紀に生まれた電信技術により、地球上の時間と距離が消滅した。情報技術の歴史を知ることは、次世代を生きるための礎となる。

『情報技術の人類史』を読まずして未来を生きるなかれ - #RyoAnnaBlog


戦争

補給なくして戦争はありえない。軍隊が前進するにせよ後退するにせよ、食料の補給は必須だ。兵士一人に対し、一日につき3000キロカロリーをどのように供給するのか。本書はナポレオンの時代から現代まで、戦争における補給の歴史を教えてくれる。普段はクローズアップされない兵站を知ると、戦争の見方が変わる。

戦争映画では語られない『補給戦』とは? ー 何が勝敗を決定するのか - #RyoAnnaBlog


生物

動物に対する考え方が変わる本。例えばアクアリウムなら、植物の光合成と酸素の関係、魚の呼吸と二酸化炭素の関係を理解することで、人口装置に頼らない自然な環境を作り出すことができる。犬でも鳥でも、動物と暮らすのは責任を伴う。飼い始めた時の情熱を失っても、責任は残るのだ。

動物を飼う前に読むべき本『ソロモンの指環』 - #RyoAnnaBlog


人は記憶する時、最初に大脳皮質の側頭葉から海馬に信号を送る。海馬は信号を整理しながら1ヶ月ほど情報を蓄え、その後に側頭葉に戻して長期保存する。本書は、そのような記憶の流れをシナプスなどの写真と共に紐解く。脳の仕組みが分かると自分が変わり、世界が変わる。

記憶にまつわる七つの事実『記憶力を強くする - 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』 - #RyoAnnaBlog


心理

不安や葛藤を異物として除去しようとする西欧の心理療法と、あるがまま受け止めて、自己実現のために目的を達成させようとする森田療法。この本は神経質症の解決方法について書かれたものだが、心理学の勉強にもなるし、人生のヒントにもなる。

神経質症、あるいは生き方に迷う人へ『森田療法』 - #RyoAnnaBlog


デザイン

例えば自転車なら、外観や機能をどうするか考えるだけでなく、どうすれば楽しく自転車に乗れるのか考える。そのためには深い洞察と観察が必要で、ユーザーに共感しながら行動しなければならない。本書は、体験をデザインするための思考方法を教えてくれる。

自分に足りないものが見つかる本『デザイン思考が世界を変える』 - #RyoAnnaBlog


文章

切れ味のよい文章を書く技法は、理科系の論文に隠されていた。文章の明快さは構成力にかかっている。書きながら何度も読み返し、単語や段落を適切な順番に並べ替える。曖昧な表現を避け、事実と予測を峻別する。世界の見方を変えるには、明快な文章が必要だ。

明快な文章を書く技法『理科系の作文技術』 - #RyoAnnaBlog


この中に、一冊でもあなたの感性を刺激する本があると嬉しい。