ブックカフェの発展形、京都天狼院書店

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先斗町で写真を撮った後、次の目的地に向かって歩いた。時期は6月の終わり。気温は高くないが、蒸し暑くて喉が渇く。道中で涼をとる店を探すと、一風変わった店構えを見つけた。京都天狼院書店だ。

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世界との関わり方が変わる10冊(Kindle)

電子書籍が徐々に普及し、書籍全体の5分の1まで市場規模が拡大した。読みやすさの観点では紙の本に軍配が上がるが、電子書籍には利便性という大きなメリットがある。思い立ったらすぐ入手できるし、保管場所にも困らない。

電子書籍はコミックが大半を占めるが、数年前と比べれば学術書も随分と増えた。既刊本の電子化も順調に進んでいる。そこで今回は、学術書を中心にKindleで読める名著を紹介したい。読めば世界との関わり方が変わる。そんな可能性を秘めた本だ。

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写真の良し悪しを決める第一感

マルコム・グラッドウェルの『第1感』を読んだ。

人が何かを判断するとき、情報が多いと混乱することがある。贋作を一目で見抜く美術商。夫婦の短い会話で離婚を予言する心理学者。サーブの直前にダブルフォルトを予言するテニスコーチなど。特に専門家は、直感で判断するほうが正しい結果になることが多い。

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広告の数に関する考察 - 『選択の科学』を読んで

 この記事の下には、Googleの広告が一つ貼ってある。スマートフォンで見ると画面の端から端まで表示される広告だが、PCで見ると左右に大きなスペースが空く。だから一時期、広告を二つ並べていた。

 『選択の科学』は社会心理学シーナ・アイエンガー教授の本。教授は人間の「選択」という行為に対して様々な実験を行い、ある傾向を発見した。

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動画をやめて本を読んで欲しい理由

 子供がYouTubeの動画ばかり見ている。動画のすべてが悪いわけではないが、長時間はよくない。「メリハリをつけなさい」と諭しても、返事はいいが脳がついてこない。「楽しい」という脳内麻薬が分泌されると、止めることができないのだろう。

 親としては学校の勉強に着いていけなくなるのが心配だ。だから動画をやめて本を読みなさいと説教する。すると子供はなんで?と聞いてくる。これまでは自前の理論で「考える力がつくから」と説明していたが、どうやって?と聞かれると答えに詰まっていた。

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紙の本がもたらすもの - 名古屋の蔦屋書店『草叢BOOKS』

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名古屋の守山区にあるアピタに、カルチュア・コンビニエンス・クラブの新店舗『草叢BOOKS』がオープンした。代官山の蔦屋書店と同様にスターバックスが併設されていて、コーヒーやフラペチーノを飲みながら本を読むことができる。

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無意味の意味 - 『断片的なものの社会学』を読んで

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 家で偶然、映画の割引券を見つけた。1800円が1000円になる割引券で、これはお得だということで『虐殺器官』を観に行った。その日は家族が車を使っていたので、私は独りで自転車で出かけた。映画が終わると陽が落ちていて、風が冷たく突き刺さった。家に帰る途中、なんとなく寂しくなって自転車のスピードを上げたら、縁石に乗り上げてタイヤがパンクした。パンクの修理代は800円で、映画の割引額が綺麗にゼロになった。

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