Book
LetTheCardsFall via photopin cc すべての人間は、ゆりかごから墓場まで、なんらかの身体的特徴を携えてゆくものだ。生涯変わることのないその特徴によって、個人は常に認証され、そこに疑問の入りこむ余地はまったくない…… その署名を構成するものこそは、…
自然という偉大な本を読むには、その本が書かれている言語を知らなければならない。そしてその言語は、数学なのだ。ー ガリレオ・ガリレイ 紀元前3300年〜2000年頃。シュメール人は自分の財産を管理するために、金属やパンなどの所有物を、小さな粘土細工に…
正月の連休中に映画『ゼロ・グラビティ』を観た。キャストがサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの二人だけという異色のSF映画で、宇宙空間のリアルな映像と共に描かれていたのは、人間の生命力だった。『人はなぜ逃げおくれるのか』は、広瀬弘忠教授…
「人は生まれながらにして知ることを欲している」 アリストテレス - 形而上学 人生には限りがある。人は一生のうちで何冊の本を読めるのだろう。普通は仕事や家事や情事があるので、読書に割ける時間はあまりない。だからこそ、できるだけ良い本を選んで効率…
アフガン戦争の犠牲者たち by パウラ・ブロンスタイン ウサマ・ビンラディンの殺害から3年近く経ち、ようやく米軍は2014年にアフガニスタンから撤退する。2001年から始まったアフガニスタン戦争の死者は3万人を超えた。なぜアメリカはここまでして他国に干渉…
USBメモリをパソコンに挿すと引っかかる事がある。コネクタの半分が空洞、半分が突起になっているため、2分の1の確率で引っかかる。これは、マークやランプを上に向けて挿さないユーザーが悪いのだろうか。『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論…
1909年、米国の古生物学者ウォルコットはカナダのロッキー山脈で未知の化石群を発見した。地層を調査した結果、5億500万年前のカンブリア紀の頁岩と判明し、複数の生物が見つかったことからバージェス動物群と名付けられた。偉大な発見者となったウォルコッ…
インドに優秀なIT技術者が多い理由は、初等教育で20×20までの暗算を覚えるからだと言われている。覚え方はメロディをつけて歌う詠唱で、生物は元来、目よりも耳が発達していたため、声に出したほうが記憶に残りやすいそうだ。そんな詠唱などの効果を『記憶力…
ラマヌジャンの生家 数学と折り合いがつかなくなったのはいつからだろう。二次方程式? 素因数分解? 微分積分? いや、もっとさかのぼって小学校の分数か。例えば 1/2 + 1/4 の答えは、単純に分母と分子を足した 2/6 (1/3) ではなく、分母は掛けて、分子は…
Photo Link なぜ本を読むのかと聞かれたら、自分の限界を突破するためだと答える。それまで未知だったものが既知になった瞬間、世界は広がる。自分の糧にならないと思い、途中で読むのをやめる本がある。逆に、読み終えると興奮して、身体が沸き立つような本…
『打ちのめされるようなすごい本』は、米原万里の書評集。米原万里は1950年生まれの通訳者、作家、書評家。ロシア語の通訳者としては、ゴルバチョフやエリツィンから指名を受けるほどの第一人者だった。ページをめくって読み進めると、未知の言葉に遭遇して…
司令官が作戦行動とか戦争発起、前進、浸透、包囲、せん滅、消耗など、要するに長々と続く全戦略の実行を頭に描き始める以前に、彼にはしなければならないし当然するべき事柄がある。それは麾下の兵卒に対して、それなくしては兵として生きられない1日当たり…
ランニングを始めると、今まで見向きもしなかった本に惹かれるから面白い。前回紹介した小出監督の『マラソンは毎日走っても完走できない』しかり、村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』しかり。『走ることについて語るときに僕の語ること…
ランニングを誤解していた。長時間走らないと練習にならない、最低でも1時間は走って汗をかかないと意味がない。そう思っていたのだが、小出監督の『マラソンは毎日走っても完走できない』を読み、日常の合間を縫って練習できる事を知った。
最近自転車の事ばかり考えている。次に買うのはTREKにしようかGiantにしようか。ロードバイクがいいかクロスバイクがいいか。ハンドルはドロップがフラットか、などなど。毎晩のようにカタログや動画を見て楽しんでいる。そんな中で見つけたのが、今回紹介す…
モニタとマイクが付いた車椅子の印象が強く、サヴァン症候群のような特殊な能力を持っている博士だと思っていたが、『ホーキング、宇宙を語る』を読んで、そのイメージが間違っていた事を知る。アリストテレスの天体論からコペルニクスの地動説、ニュートン…
Photo Link 以前から読みたいと思っていたジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』が、電子書籍としてKindleストアと楽天koboに登場した。ジャレド・ダイアモンドは米国の生物学者。カリフォルニア大学の教授でノンフィクション作家でもあり、1998年に『…
松岡正剛という無類の読書家がいる。雑誌『遊』を刊行し、編集工学という概念を打ち立て、自らも多くの本を書いている思想家。2000年に始まった千夜千冊という書評サイトは、2004年にガンで胃を摘出した後も続いており、先日の更新で1512回目の夜を数えた。…
6月29日に公開される福山雅治主演の映画『真夏の方程式』。原作は東野圭吾。単行本が刊行されたのは2011年で、映画公開直前となる今月10日に文庫本が発売された。
学生時代、図書館に籠もってフーコー、ジル・ドゥルーズ、浅田彰、柄谷行人などの哲学書を読み漁った事があった。覚えているのはリゾームや交通などのキーワードだけだが、今にして思えば、辞書を片手に必死に理解しようとしたあの時の読書体験が、私の言葉…
ショートショートと呼ばれる小説がある。短編小説よりも短く、それだけで話が完結していて、400字詰めの原稿用紙で10枚程度のもの。文字数に明確な規定はなく、コンテンストによっては1000文字程度が条件になることもある。
村上龍は以前から電子書籍に前向きだった。最初は、2010年にiOSアプリでリリースされた『歌うクジラ』。全編横書きの小説で、坂本龍一の音楽も組み込まれた実験的な作品だ。続いて登場したのが『限りなく透明に近いブルー』。デビュー作を直筆原稿で読む事が…
ヤングのような "マルチ学者" を見るにつけ痛感することだが、総じて昔の学者は一人で広範囲の仕事をしている。それに比べ、近年の「学者」の "守備範囲" は非常に狭くなっている。
私の同僚に吃り(どもり)で悩んでいる人がいる。普段の会話はそれほど問題ないが、仕事で電話をしたり喋ったりすると緊張して吃音がひどくなる。本人も自覚していて治したいと思っているが、上手く喋ろうとすると余計にひどくなる。それはなぜか。吃りが自…
西尾維新を知ったのはアニメ『化物語』で。同作品は高校生の主人公が怪異に関わった少女達と出会い、その怪異にまつわる事件を解決していく物語。全編に散りばめられた弾丸のような言葉の数々と、戦場ヶ原ひたぎの入浴後シーンにまんまとやられて、最後まで…
自分の子供というものは不思議で、昼は天真爛漫で憎たらしい事もあるが、夜の寝顔は天使のように可愛くて、朝起きると昨日の事は忘れている。親は子供を教育する立場だが、逆に子供から学ぶ事も多い。そんな無邪気な子供と大人の関係を描いたのが、今回紹介…
『レトリック感覚』という、修辞技法について書かれた本が面白かった。著者の佐藤信夫さんは、東京大学哲学科卒・元国学院大学教授の言語哲学者で、1993年に亡くなっている。『レトリック感覚』が出版されたのは1978年だが、普遍的な文章技法が分かりやすく…
久しぶりに脳を刺激する本が読みたくなり、ネットで学術書を探した。「東大教師が新入生にすすめる100冊」という記事が目に留まったので、面白そうな本をピックアップする。
Kindleがいい。端末ではなく本の話だ。Kindleストアで販売している電子書籍にはサンプルがついてる。「無料サンプルを試す」というボタンを押すと、登録している端末に自動で転送してくれる。
大日本印刷と東京大学の研究チームが、世界最速のブックスキャナを開発した。書籍を裁断することなく、1分間に250ページをスキャンできる。こちらは実際に読み取っている映像。